どうも、ユウヤマンです。
「ジーンズのフロントは、ジッパーで上げるもの」 今まで何の疑いもなく、そう思っていました。
昔、父親が持っていたジーンズの股の部分に、
金属のボタンがいくつか並んでいたのをうっすら覚えています。
「ボタンで留めるのめんどくさそうだな……」と子ども心に感じていた記憶があります。
ところが、アメカジに惹かれ、
JELADO 301EXXを最初の相棒に選んだ僕の前に立ちはだかったのは、
まさにその「ボタンフライ」でした。
もちろんボタンフライだということは分かってはいましたが、
いざ手にした瞬間は戸惑いしかありませんでした。
「……これ、トイレの度に外さないといけないのか」
「ジッパーの方が楽だしいいな(笑)」
今回は、初心者の僕が感じたボタンフライの壁と、
実はそこには「デニムを相棒と呼ぶための深い理由」があった、というお話です。
なぜ、わざわざ「ボタン」なのか?
現代の技術なら、ジッパーの方が圧倒的に便利です。
それでも、本格的なレプリカジーンズがボタンフライにこだわるのには、利便性を超えた大きな理由がありました。
まず、歴史的にジッパーという技術そのものがなかったという背景があります。
デニムが「作業着」だった頃、ジッパーはまだ故障しやすく信頼性が低かった一方で、
ボタンは頑丈で、もし取れても自分で修理がしやすかったそうです。
そしてもう一つ、大きな理由が「デニムの激しい縮みとねじれ」に対応するためです。
以前の記事でも書きましたが、301EXXのように昔ながらの製法で作られたデニムは、
洗うとギュッと縮み、グイッとねじれます。
もしこれがジッパーだと、生地が縮んだときにジッパーの金属部分がその変化についていけず、
ボコボコに波打って閉まらなくなってしまうことがあるそうです。
その点、ボタンは「点」で留めるもの。
生地がどれだけ縮んでも、ねじれても、ボタンならその歪みを逃がして柔軟に対応できます。
つまり、「育つ生地」には、遊びのあるボタンの方が相性が良かったんですね。
301EXXのように、当時のディテールを本気で再現しようとしているモデルにとって、
ボタンフライは避けては通れない必然の選択というわけです。
ボタンフライ vs ジッパーフライ|ざっくり比較
初心者の僕なりに、それぞれの特徴を整理してみました。
| 項目 | ボタンフライ | ジッパーフライ |
| 使い心地 | 慣れるまで少し手間。最初は指が痛くなることも。 | 圧倒的に早くて楽。片手で完結。 |
| 耐久性 | 構造がシンプルで壊れにくい。 | 噛んだり、スライダーが壊れると修理が大変。 |
| エイジング | ボタンのアタリが出る! | 変化は特になし。 |
| 雰囲気 | 「これぞジーンズ」というクラシックな顔。 | 現代的でスマートな印象。 |
こうして見ると、利便性ではジッパーに軍配が上がりますが、アメカジ的な「楽しみ」という点ではボタンフライが圧倒的です。
ボタンフライだけの特権「ボタンのアタリ」
不便さ以上に、僕が「ボタンで良かった」と思った最大のポイント。
それが、穿き込むことで表れてくる 「ボタンのアタリ」 です。
デニムの表面に、中にあるボタンの形がうっすらと浮き出てくる。
これはジッパーでは絶対に出ない、ボタンフライだけの特別な経年変化です。
JELADO 301EXXを眺めていると、鉄製のオリジナルボタンが生地の裏側で頑張っているのを感じます。
不便だと思っていたはずのひと手間が、
いつの間にか「自分の相棒を扱っている」という実感に変わっていくから不思議です。
ジッパーフライが「悪い」わけじゃない

ここまでボタンフライを推してきましたが、決してジッパーフライが劣っているわけではありません。
僕も愛用しているブランド「LEE(リー)」がその良い例です。
LEEは早くから、デニム生地をあらかじめ縮ませる
「サンフォライズ加工(防縮加工)」という優れた技術を導入していました。
生地が縮まない、つまりジッパーが壊れる心配がないという自信があったからこそ、
LEEは早い段階でジッパーフライを実用化できたという背景があります。
現代のレプリカブランドでも、あえて当時の優れた技術や利便性を再現するために、
こだわってジッパーを採用しているモデルはたくさんあります。
「不便なボタンを楽しむ」のもアメカジですが、「優れた技術と利便性を使いこなす」のも、
また一つのアメカジの形なんだなと感じています。
まとめ:不便さを楽しむのが、アメカジの入り口
もちろん、今でも急いでいるときは「ジッパーなら一瞬なのに……!」と思う瞬間はあります(笑)。
でも、ボタンフライが持つ「激しい生地の変化を受け止める知恵」や、
LEEが証明した「ジッパーを実用化した高い技術」。
その背景を知ると、ただの「開け閉めの道具」が、もっと価値のあるものに見えてきました。
便利さよりも、愛着。
301EXXのボタンがもっとくっきり浮き出てくる頃には、僕の指先ももっと慣れて、
今よりもさらにこの「ひと手間」を愛せている気がします。
皆さんのジーンズのフロントは、どんな顔をしていますか?

