寝ても寝ても、ぽんこつです🐼
「5ポケットデザイン」って、アメカジやデニムの話でよく聞きますよね。
なんとなく「ポケットが5個あるやつでしょ?」くらいの理解で今まで生きてきたんですが、先日ふと「これ、ちゃんと説明できないな……」と気づいてしまいまして。
というわけで今回は、いつもの「勉強シリーズ」として、5ポケットの正体をちゃんと調べてみました。
そもそも5ポケットって何なんですか
結論から言うと、5ポケットとは単に「ポケットが5つある」という意味ではありませんでした。
内訳はこうです。
- フロントポケット(右)
- フロントポケット(左)
- コインポケット(右フロントの内側にある小さいポケット)
- バックポケット(右)
- バックポケット(左)
ポイントは、この「コインポケット」が必ず含まれているということ。フロント2つ+バック2つの合計4つだけなら、それは「4ポケット」であって「5ポケット」とは呼ばないそうです。
ジーンズでいう「5ポケット」は、左右のフロントポケット+左右のバックポケット+右フロント内側の小さなコインポケット、というおなじみの構成を指します。
しかも右限定。
単純な数の問題じゃなかったとは……知りませんでした🙄
あの豆粒サイズの「コインポケット」、実は懐中時計入れだった
ここがいちばん「へぇ〜」ってなりませんか?
コインポケットって、正直「小銭入れにしては小さすぎるし、今はほぼ使ってない」という人、多いんじゃないでしょうか。私もそうです。
このコインポケットの正体については、以前やまもんが「ジーンズのポケットが小さい理由、知ってる?」という記事でしっかり調べてくれています。
詳しい理由はそちらにお任せするとして、ざっくり言うと「もともとは懐中時計を収めるためのポケットだった」というのが有力説だそうです。1873年、501が生まれた当時は、懐中時計を持ち歩くのがごく普通だった時代。そのサイズ感に合わせて設計されていたわけですね。
その後、腕時計が普及して懐中時計を持ち歩く習慣自体がすたれていきました。でも、ポケットの形だけはそのまま残った。呼び方だけが「ウォッチポケット」から「コインポケット」へと、いつの間にか変わっていったようです。
つまり今のコインポケットは、役目をとっくに終えた後も、様式としてだけ生き残っている場所ということになります。なんだか不思議な存在ですよね。

コインポケットそのものの詳しい歴史は、やまもんの記事もぜひ読んでみてください
バックポケットのステッチにも、それぞれ由来があった
5ポケットといえば、バックポケットに入っているあの装飾ステッチも気になっていました。ブランドによって形が違うの、皆さんも見たことありますよね。せっかくなので、代表的な3ブランド分を調べてみました。


リーバイス「アーキュエット」
弓なりの二重ステッチで、1873年の501誕生当初からあるという、世界最古級の服飾トレードマークです。
面白いのは、実はリーバイス自身も「正確な由来がわからない」と認めていること。1906年のサンフランシスコ大地震と大火で本社と工場が焼失してしまい、初期の記録がすべて失われてしまったからだそうです。俗説では「飛ぶワシ」や「カモメ」の形とも言われていますが、あくまで俗説どまり。ちなみに第二次大戦中は、糸を節約するためにステッチではなくペイントで済ませていた時期もあったとか。
Lee「レイジーS」
Leeはもともと1926年ごろから、リーバイスと似たようなアーキュエット風のステッチを使っていたそうです。それが1944年、独自の「レイジーS」に切り替わりました。
デザインの由来は諸説あって、「ステアの角(ロングホーン)の形」とも、「馬に跨った状態の背中のライン」とも言われているようです。カウボーイ向けブランドとしての世界観が、そのままステッチに落とし込まれているのかもしれません。
Wrangler「ダブルW」
3ブランドの中では一番後発、1947年の登場です。最初はやっぱりアーキュエット風のステッチだったのですが、翌1948年に独自の「ダブルW」ステッチへ変更されたそうです。
このWの意味、デザインというよりロゴのイニシャルに近い発想で、「Western Wear」の頭文字なんだとか。開発を手がけたのは「ロデオ・ベン」ことバーナード・リヒテンシュタインという、カウボーイ服を専門にしていたテーラーです。
3ブランドとも、最初は横並びで似たようなステッチだったのに、それぞれのタイミングで独自化していった、という流れが共通していて面白いなと思いました。
ステッチって、そもそも何のためにあるの?
装飾にしか見えないあのステッチにも、実は元々ちゃんとした機能があったようです。
初期のジーンズのバックポケットには、裏地としてコットンの布が貼られていたものもあったそうです。あの二重ステッチには、この裏地がポケットの中でたるんだり波打ったりしないよう、固定する役割もあったと言われているようです。
さらに、当時は労働者の識字率が低い時代でもありました。文字のラベルより、遠目でも一目でわかる視覚的なマークのほうが、ブランドを見分ける手段として機能した、という説もあるとか。
やがて裏地を貼る製法自体がなくなっても、ステッチのデザインだけはそのまま生き残った。これ、さっきのコインポケットの話とまったく同じ構造ですよね。
「最初は実用のための工夫だったものが、時代とともに役目を終えても、様式として残り続ける」
5ポケットデニムって、こういう“名残”の集合体なんだなと、今回調べてみてしみじみ実感しました。
もしコインポケットの役目が戻ってきたら
ここからは完全に妄想なんですが、コインポケットの歴史を知ってから、ちょっと考えてみたんです。
懐中時計 → (役目を失って空洞化)→ もし将来また何かを収める場所として復活するなら、次は「ルーペ」なんじゃないかなと🧐
「え、デニムの織り目でも覗くの?」と思った方、正解の半分です。
もう半分は、実はもっと切実な理由でして……。
実家の両親を見ていて、まあ自分の老後を想像することがあるんですよ。
年齢を重ねると、どうしても虫眼鏡的なものが手放せなくなっていくんだろうなとw
スマホのルーペ機能で代用はできるんですが、アプリを開いてカメラを起動してピントを合わせて……と、地味に手間がかかります。
それよりも、コインポケットから小さいルーペをサッと出して、サッと見て、サッとしまう。このほうが圧倒的に早いしかっこいいと思うんです。私だけ?🙄
しかもよく考えると、これって懐中時計時代の使われ方とまったく同じ構造なんですよね。「サッと取り出して、サッと確認して、サッとしまう」。時計を確認する道具から、老眼で文字を確認する道具へ。役割は変わっても、「コインポケットにはサッと使う小道具を収める」という本質は、実は一周回って元に戻ってきているのかもしれません。
デニムの織り目やセルビッジを間近で観察するのにも使えるし、将来的な老眼対策にもなる。これはもう、コインポケット、ルーペ専用ポケットとして復権してもいいのでは、と本気で思っています。
……と、ここまで考えたところで、ほかにも使い道がありそうな気がしてきました。
豆サイズの「ポケットチーフ」を挿すおしゃれとかどうですか?
バックポケットにバンダナをチラ見せさせる文化があるので、その発想をフロントの豆ポケットに持ってくるイメージです。
あと連れて歩きたい推しのアクスタとか?
お気に入りのアクスタをちょこんと連れ歩く場所になっても面白そうだなと。
5ポケット全部に何かしら挿してみる、みたいな遊び方も楽しそうだなと妄想しています。
まとめ
調べてみて分かったことをざっくりまとめると、こんな感じです。
- 5ポケットとは、単なる数ではなく「コインポケットを含む配置パターン」を指す言葉
- コインポケットは、元々は懐中時計を収めるための「ウォッチポケット」だった
- バックポケットのステッチは、リーバイス「アーキュエット」、Lee「レイジーS」、Wrangler「ダブルW」と、ブランドごとに独自の由来がある
- ステッチはもともと裏地の固定や、識字率が低い時代の視覚的なブランドマークという実用の役目があった
- 役目を終えた後も、様式としてデザインだけが生き残っているのが5ポケットデニムの面白いところ
何気なく履いている5ポケットデニムに、やっぱりこんなに歴史が詰まっていました!
次に自分のデニムを見るとき、ちょっと違う目で見られそうです。
以上、コインポケットの中身を妄想しすぎたぽんこつでした🐼









